戸建てリノベーションの現場の解体が終わりました。
平成元年に建てられた注文住宅であるため、新耐震ではあるものの、新耐震基準をさらに厳しく改正した2000年耐震基準は満たしていない建物です。
耐震診断で有名な木耐協の耐震診断結果によると、新耐震でも2000年5月以前に建てられた木造住宅の約8割が震度6強の地震で倒壊する恐れがあると発表しており、安心して暮らせる住まいのために今回のリノベーションでも耐震化は行わなければなりません。
そのために既存建物がどのような設計強度で建てられているのかを分析し、耐震補強が必要な箇所に補強を入れていきます。
解体してまず行うのが、既存の柱や梁、基礎や土台、屋根を支える小屋梁、小屋束、母屋、垂木といったすべての構造部材の寸法を記入して図面に復元する作業です。
当時の図面の筋交いの位置にちゃんと筋交いが入っていたか、柱や梁などの木材に著しい欠損や腐朽、蟻害(シロアリ)がないかも調査していきます。
こうしてすべての構造部材が整理されると、当時の設計者や工務店がどのような意図を持って設計し建物を建てたのかが分かりとても興味深いです。
建物のコンディションの状態や、当時の図面資料がほとんどない状況から今は、基礎を除いた大部分の部材、寸法、コンディションを把握できているところまで来ました。
前設計者のバトンは受け取りました。
ここからが本当のリノベーションの始まりです。
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