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研究所の渡り廊下

某企業の研究所のリノベーション計画案。
室内履きで行き来していた研究所の建物間を渡り廊下でつなぎ研究所全体をリノベーションする計画。
接続する建物のどちらにも増築とせず、単独での新築、かつ、耐火建築物とすることで、接続する建物への既存遡及を生じさせない計画としている。
30㎡の平屋の新築として確認申請を行うことで、接続する建物の防火窓への遡及はなく、また、築年数の異なる建物の増築(確認申請)としていない。
これにより、既存建物の大規模な改修を行う必要がなく、模様替えしたい箇所や、劣化が著しい箇所など、必要な場所だけをリノベーションできる。


建物の構造は、プレキャストコンクリート造とした。
プレキャストコンクリートは工場で製作し、現地で組み上げる高強度の材料によるプレハブ工法である。そのため、長期にわたりひび割れなどの劣化が少なく、品質が安定している。

渡り廊下と接続する建物との隣棟間隔が1cm程度と狭いため、施工精度が求められ、将来的なメンテナンス工事もできれば避けたい。
こうした条件下で、プレキャストコンクリート造が最適な工法の一つと考えた。

仕上には、周辺で取れる地域の石を入れて研磨したテラゾー仕上げとし、床レベルの異なる建物をスロープでつなぐ。
スロープの途中には、敷地内の別の建物で使われなくなった無垢の木のベンチが既存の紅葉の庭に向けて置かれる。

​研究所に訪れる人は、正門ゲートを通るとまずこの景色が目に飛び込んでくる。
長く使われてきた建物だからこそ、元々の風景を大きく変えずに、使い勝手を良くし、これからも愛着を持って長く使われる建物になればと計画した。

用途:研究施設
計画内容:敷地内増築(新築)
構造:プレキャストコンクリート造
​構造設計:RGB STRUCTURE
​規模:平屋建て、30㎡
共同設計:ambos , KOKUYO

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